百年戦争にてフランスを勝利に導いた英雄の勇姿に刮目せよ!佐藤賢一『双頭の鷲 上下』(新潮社)が「芳林堂書店と、10冊 第3シーズン」第2弾として復刊販売します!

直木賞受賞直前の作品であり、中世末期の百年戦争の前半(有名なジャンヌ・ダルク登場以前)の伝説的なフランスの武人を題材とした歴史小説として抜群の面白さがありながらも、話題になりにくかった本作品。文庫版の装丁も含めて紙でもっておくにふさわしい逸品とおもいますが、残念ながら長らく電子のみになってしまっているので、この機会にぜひ復刊させたいと思いました!

双頭の鷲

佐藤賢一

時は、中世。イングランドとの百年戦争で、劣勢に陥るフランスに登場したベルトラン・デュ・ゲクラン。このブルターニュ産の貧乏貴族、口を開けば乱暴粗野なことばかり。だが幼き日より、喧嘩が滅法強いベルトラン、見事な用兵で敵を撃破する。神は、武骨なその男に軍事の大才を与えたもうた!

今回の選書も、皆様おなじみの甲冑を着る書店員である書泉グランデの大内学が行っております!
イングランドとの百年戦争で劣勢に立たされていたフランスに登場した実在の人物、ベルトラン・デュ・ゲクランの生涯を描いた本作。
無骨で粗野ながら軍事の才能に恵まれた彼が、いかにして敵を撃破し、
フランスの英雄へと登りつめていったのかその勇姿を是非ともご堪能ください。

また上巻のみの数量限定になりますが、サイン本販売も実施サイン本販売も実施いたします。お早目のご予約をお待ちしております。

中世末期、百年戦争の前半(有名なジャンヌ・ダルク登場の以前)の伝説的なフランスの武人が題材。歴史小説として抜群の面白さです。時代背景的にも、高名なエドワード黒太子が前半のライバルとなり、仕えた主君は税金の父と呼ばれるシャルル五世賢明王。主人公デュ=ゲクラン本人の性格も、ルネサンスの傭兵隊長に近い合理的な側面を見せながら、中世の騎士道精神も残した過渡期特有の二面性を持ったもので、奇襲や野戦のような戦術を用いる臨機応変な戦術で勝利を収めながらも、名誉を重視してやたらと自らに制約をかける誓いを立てるなど、中世の騎士そのまま。彼は死亡するまでに、フランスの大部分をイングランドから奪い返した…その怪異な容貌から 「レンヌからディナンまでで一番おぞましい」などと罵られ作中ネグレクトを受けていたと解釈されているなど、現代的な視線が、この手の小説のわかりにくさ読みにくさを払しょくし、リーダビリティのたかさは秀逸。佐藤賢一独特の文体もクセになる。

Bertrand Du Guesclin─と、フランス語では綴ります。『双頭の鷲』の主人公の名前ですが、最初みたときは私自身「ベルトラン・デュ・ゲクラン」とは読めませんでした。まさに、聞いたこともない。逆に興味をかきたてられ、よくよく調べては、これは面白いぞと小説に書いた私でしたが、当時まだ三十歳、やはり若く、無謀だったとの誹りを免れえないことになりますか。なにしろ、ただでさえとっつきにくいとされる西洋史で、ほとんどの日本人が初耳というような人物を、好んで取り上げたのですから。
 そこは渾身の一作─当座は自分でも驚いたほど読んでいただきましたが、その後も長く読み継がれるとまではいきませんでした。私のほうはといえば、あれから四半世紀になりますが、ずっと西洋歴史小説を書き続けています。読者も増えて、今なら『双頭の鷲』も受け入れられるのじゃないかと夢想たくましくしていたところ、かなえられたのが今回の復刊なのです。また読んでもらえる。もう嬉しいの一語です。

佐藤さんとは世代が近いこともあり、デビュー直後から気になる作家でした。私自身、洋の東西を問わぬ歴史好きであることも、ぜひ担当したいと思った大きな理由です。先輩が編集した『双頭の鷲』は単行本ですぐに読み、ベルトラン・デュ・ゲクランという漢に痺れました。『双頭の鷲』文庫版を編集しながら、「仕事がこんなに楽しくていいのだろうか」と感じたことをよく覚えています。私の力不足により紙版が切れてしまっておりましたが、このたび、復刊のご提案を頂き、たいへんありがたく思っています。歴史好きの魂を揺さぶる、この長編を、ご堪能ください!

商品情報

タイトル

双頭の鷲

著者

佐藤賢一

判型

文庫

ページ数

上巻:573頁
下巻:602頁

販売価格(税込)

上巻:1,650円
下巻:1,705円

発売日

2026年2月27日頃予定

12月19日(金) 18時より予約受付開始!

『書泉と、10冊』『芳林堂書店と、10冊』について

昨今、さまざまなネットサービスで過去に出版され、探しても見つからない数々の本が法外な値段で取引されています。
「欲しい人が払える分の値段を払う」ということは一見、今の世の中の「当たり前」に見えますが、
私たちは「そうではない」と考えます。


ファンの方が熱望するあの名作、私たちも是非お勧めしたいあの名著を
「適切な価格」でお届けすることに私たちは挑戦していきます。

そして、それは私たち“本屋”だけでは実現できません。
著者の方々、出版社のみなさま、ファンのみなさま、など
ご縁のある方と協力しながら、少しずつでもこの挑戦をカタチにしていけると信じています。

この企画を「書泉と、10冊」という名前にしました。
「書泉と、ご縁ある方で世に送り出す10冊」という願いを込めての企画タイトルです。
まずは、10冊。この企画で改めておススメしたい本を2023年8月よりお届けしています。