第11回鮎川哲也賞受賞作家・門前典之傑作長編本格ミステリ小説『浮遊封館』(原書房)を(株)書泉が「芳林堂書店と、10冊 第2シーズン」第10弾として復刊販売します!

「中世への旅」シリーズの大ヒットから始まった復刊企画「書泉と、10冊」「芳林堂書店と、10冊」。この企画は、過去に出版された書籍で既に在庫がなく手に入りにくい名作を、株式会社書泉と出版社のみなさま、著者のみなさまに協力いただき重版・復刊してお届けして参りました。
今回は原書房様より、門前典之さんの2008年発表の本格ミステリ小説『浮遊封館』を書泉・芳林堂書店にて復刊販売いたします。

浮遊封館

門前 典之

飛行機墜落事故で消えた130人の遺体。「密室」で口から剣を刺されて死んだ男。次々に人が消えていく宗教施設。身元不明死体を集める男――やがて浮かび上がる異形の論理。

門前典之さんは2001年に『建築屍材』(投稿時の作品名「人を喰らう建物」)で第11回鮎川哲也賞を受賞されました。その後7年間の準備期間を経て2008年に満を持して発表された長編がこの『浮遊封館』でした。

書泉・芳林堂書店にて2024年から復刊販売させていただいている名作『屍の命題』(原書房)や、2025年の最新作『ネズミとキリンの金字塔』(論創社)と同じく、著者の作品世界で最も偉大な探偵「蜘蛛手啓司」が登場するシリーズの一作であり、シリーズ最高傑作の呼び声も高い本格ミステリ小説です。
『浮遊封館』は現在では絶版。新刊書店では購入ができず、中古市場にて高価格で取引される幻の書籍となっておりました。

新興宗教と、墜落した飛行機から消失した死体の関係は。禍々しい宗教施設の中に消える人々はどこへいったのか。建築の専門家である著者独自の知識から生まれる奇想が光る傑作です。

数量限定で門前典之先生のサイン入書籍をご用意いたします。皆様どうぞこの機会に作品を手に入れてください。

門前典之先生が生み出す歪でありながら整っている、壮大で魅力的なトリックの数々は、常に読者の忘れられない光景として脳裏に刻まれます。2024年に復刊させて頂いた『屍の命題』に負けないインパクトを持つこの『浮遊封館』も、現在では販売が終了しており、中古市場で求めるしかない状態になっていました。
この作品を復刊し、皆様に白いドームへの畏怖を永遠に埋め込むとともに、今も意欲的に新作を発表し続けていらっしゃる、「門前典之」という作家の次作に期待する読者を増やしたいです。傑作です。この機会にお手に取ってください!

拙作の中で一番思い入れの強い作品は実質的処女作である『屍の命題』ですが、書き上げるのが一番早かったのはこの『浮遊封館』となります。復刊にあたり、犯行動機の掘り下げや被害者家族の背景など書き加えようかなと思い悩みましたが、止めておきました。余分なものを排しできるだけ短い作品に仕上げようと、執筆当時考えていたことを思い出したからです。
とはいえ、最後の1行は新たに加えました。これによって少しは……と思うのですが。手に取ってご意見を聞かせていただければ幸いです。ありがとうございました。

個人的に『死の命題』を偏愛していたこともあって、門前さんへの執筆依頼のアプローチも早かったように記憶しています。「見えたモノ」を逆手にとって強引ともいえる物理トリックで読者に体当たりするのが門前さんの持ち味です。
『浮遊封館』もまた、歪んだ欲望が奇想の極みにまで昇華したものがトリックとして「現実化」します。驚きは色あせません。

商品情報

タイトル

浮遊封館

著者

門前典之

判型

四六判上製

販売価格(税込)

3,520円

発売日

2026年1月24日

備考

冊数限定サイン本もございます。

11月27日(木) 12時より予約受付開始!

『書泉と、10冊』『芳林堂書店と、10冊』について

昨今、さまざまなネットサービスで過去に出版され、探しても見つからない数々の本が法外な値段で取引されています。
「欲しい人が払える分の値段を払う」ということは一見、今の世の中の「当たり前」に見えますが、
私たちは「そうではない」と考えます。


ファンの方が熱望するあの名作、私たちも是非お勧めしたいあの名著を
「適切な価格」でお届けすることに私たちは挑戦していきます。

そして、それは私たち“本屋”だけでは実現できません。
著者の方々、出版社のみなさま、ファンのみなさま、など
ご縁のある方と協力しながら、少しずつでもこの挑戦をカタチにしていけると信じています。

この企画を「書泉と、10冊」という名前にしました。
「書泉と、ご縁ある方で世に送り出す10冊」という願いを込めての企画タイトルです。
まずは、10冊。この企画で改めておススメしたい本を2023年8月よりお届けしています。