書泉・芳林堂書店は門前典之さんの最新作『モンゼニウム 門前典之作品塊』を2026年5月4日(月・祝)より販売いたします。
門前典之さんは2001年に『建築屍材』にて鮎川哲也賞を受賞し作家デビュー。代表作に『屍の命題』『浮遊封館』(原書房)『友が消えた夏 終わらない探偵物語』(光文社文庫)など、一級建築士としての深い専門知識・経験を基にした、スケールの大きい奇想に満ちた作風で多くのファンを獲得しています。『モンゼニウム 門前典之作品塊』は、25年のキャリアの中で4作のみ発表されていた短編を網羅し、書き下ろし作品を加えた完全版的短編集となります。
ここから読み始め、門前典之のエッセンスを気軽に体感できる初心者向け・幅広い層にオススメできる一冊でありながら、既にモンゼニスト(門前典之中毒者)である皆様にとっては研究に欠かせないマスターピースです。
芳林堂書店では2024年12月より文学フリマ東京に出店し、自社で製作を行ったオリジナル書籍を同人誌にて出版してまいりました。これまでに、『フィフス』『フィフス2 密室愛』(飛鳥部勝則)『観音異聞』(篠たまき)『永遠への冒険』(二階堂黎人)の4作を発表しております。本施策はその流れに連なる新作です。
門前典之さんとは過去2度の復刊施策にて、品切れとなっていた著作の再流通を実現してまいりました。交流を深めさせて頂く中で感じましたのは、作家の新作を読みたいという終わりのない願望と、今ではアクセスしにくい短編を容易に手に取れる環境への期待です。今回は理想が実現することを待つのではなく、自分たちで作り上げることを選びました。イラストレーターの岡添健介さんにカバーイラストを描いていただき、門前作品の世界観を具体化した挑戦の一作でもあります。
私がこの15年間に発表した短編5作(書き下ろし新作「デッドボルト」含む)からなる作品塊です。女子小学生探偵、サブキャラ川崎警部が主役、捕り物帳、ノンスタイル、蜘蛛手の登場は1作だけに留まります。一見、何のまとまりもないように見えますが、未知なるエレメント〝モンゼニウム〟に引き寄せられた作品塊となっております。
読者を欺くことに特化したモンゼニウムという塊を、ぜひ手にとっていただきたい。
門前典之先生による、“色とりどり”の5編からなる短編集『MONZENIUM』。ミステリーとしての不穏さや先の見通せない謎、そして先生の作品の特色でもある「建築との関わり」をほのかに匂わせることで、本書の魅力を描き出せていればと思っています。また私自身、装画を手がける際には、未読の方にまず「何これ? いいね」と目に留めていただき、興味を持ってもらえること。そして読後には「そういうことを描いていたんだ」と、作品をより深く味わっていただけるような装画であることも目指して描くことも多く。今回も、門前典之先生の本書を楽しんでいただいたあと、改めて装画にも目を向けていただけたら嬉しいです。
「神々の大罪」という、童話のような短編があります。門前作品のメインキャラクターである蜘蛛手は登場せず、舞台も日本ではないという、普段とは一風変わった作品ですが、門前先生の読者を驚かせて楽しませたいというサービス心が感じられる作品です。
読み終わって他の門前典之短編を探したところ、なんと作家生活25年間で短編は4作のみ!この作品数なら今だったら誰にでも追いつけます。気軽に手に取れるよう、1冊にまとめました。どうぞこの文庫をお読みいただいて、モンゼニストの扉を開き、一緒に新作を待ちましょう。
昨今、さまざまなネットサービスで過去に出版され、探しても見つからない数々の本が法外な値段で取引されています。「欲しい人が払える分の値段を払う」ということは一見、今の世の中の「当たり前」に見えますが、私たちは「そうではない」と考えます。ファンの方が熱望するあの名作、私たちも是非お勧めしたいあの名著を「適切な価格」でお届けすることに私たちは挑戦していきます。
そして、それは私たち“本屋”だけでは実現できません。著者の方々、出版社のみなさま、ファンのみなさま、などご縁のある方と協力しながら、少しずつでもこの挑戦をカタチにしていけると信じています。
この企画を「書泉と、10冊」という名前にしました。「書泉と、ご縁ある方で世に送り出す10冊」という願いを込めての企画タイトルです。まずは、10冊。この企画で改めておススメしたい本を2023年8月よりお届けしています。