「中世への旅」シリーズの大ヒットから始まった復刊企画「書泉と、10冊」「芳林堂書店と、10冊」。過去に出版された名作をみなさまにお届けしておりました株式会社書泉が、大日本印刷(DNP)さんとのコラボ企画「Re文庫」にて、既に在庫がなく手に入りにくい名作文庫を復刊させることになりました。
好評をいただいた第1弾の阿佐田哲也著『Aクラス麻雀』(双葉社)に引き続き、第2弾は澁澤龍彦著『悪魔の中世』(河出書房新社)を復刊してみなさまへお届けをいたします。
河出文庫の澁澤龍彦コレクションのシリーズは、発売当初、非常に人気が高く、装幀も素晴らしくて、澁澤龍彦ファンなら、全てコレクションしたい商品たちでした。そのなかでも、書泉と親和性の高い「中世」という言葉に焦点を当て、より澁澤龍彦を感じて頂きたいと希望し復刊にいたりました。
澁澤龍彦コレクションのシリーズを好んでいた当時の読者に、ぜひ、懐かしさともに、届けたい書籍です。一風変わった美術概論でもありますので、澁澤龍彦のにじみ出るエロス的な?独特の文体を味わっていただければと思います。
いま、澁澤龍彦という作家に光を当てていただき、とても嬉しく思います。本書は、当時30代の澁澤が様々な書物を渉猟し描きあげた、中世の悪魔像をテーマとする美術史的エッセー。中世の人々が想像した多種多様な悪魔の姿を多数の図版と共に知ることができる名著であり、澁澤本人の思い入れも深い作品です。2027年没後40年、2028年生誕100年を迎える澁澤の数多の著作に新たにふれる一冊として、再びふれる一冊として、多くの読者に届くことを願ってやみません。
「澁澤龍彦」といえば、当時、ミステリアスな雰囲気を持つ、非常に魅力的な作家として、一世風靡した作家であり、数々の美しい文章が散りばめられたコレクションが、文庫という形で手軽にその世界を堪能することができたのはこの上ない幸せでした。いまでも、自分の本棚にはひっそりと並んでいる文庫たちですが、あの、少し背徳的で、仄かに、時に悩ましい色気の匂い立つ世界を夢中になって拝読していたころを思い出し、「澁龍」を未知のかたにも、ぜひ、触れてほしい、手に取っていただきたいと思い、提案いたしました。
「Re文庫」は、名作を“書店員の目利き”で再び読者に届けるというコンセプトでスタートしました。打合せを通じて、まさに、芳林堂書店・江連さんの“想い”が詰まった1冊だと感じております!本作は、中世ヨーロッパの神秘と悪魔的要素を巧みに織り交ぜた幻想的な世界観が広がり、澁澤龍彦の美しい文体が心に響く傑作です!
澁澤龍彦ファンや歴史に興味がある方はもちろん、異世界に浸りたい方にもおすすめの一冊です。ぜひ手に取って、その魅力を味わってください!
書店自らが“作る”商品として、協力出版社の品切重版未定商品の中から書店員が選んだ「売りたい本」を、限定商品として販売します。DNPが2025年5月から展開する取り組みです。限定商品は「Re文庫」と名付け、“オリジナルブランド”として展開します。
書店員の「この本を読者へ届けたい」という想いを「Re文庫」に込めて、特別な読書体験をお届けできればと願って生まれた企画です。