「中世への旅」シリーズの大ヒットから始まった、「芳林堂書店と、10冊」。この企画は、過去に出版された書籍で既に在庫がなく手に入りにくい名作を、株式会社書泉・芳林堂書店と出版社、著者のみなさまに協力いただき重版・復刊してお届けしていくものです。
今回は「第2シーズン 第7弾」として、ライトノベル史に燦然と輝く名作SF・うえお久光さん著
『紫色のクオリア』(KADOKAWA)を紙の書籍で復刊致します。
『紫色のクオリア』は、2009年7月に電撃文庫から発売されたライトノベルであり、今なお電子書籍によって新たな読者を獲得し続ける傑作SFです。短巻完結の美しい構成・時を経ても新鮮さを失わない完璧な物語・綱島志朗さんの美麗で、強烈な印象を残すイラスト。すべてを兼ね備えたこの書籍はライトノベルというジャンルの枠を越え、読書界隈の一種のバイブルのようであり、
(株)書泉も秋葉原の書泉ブックタワーでは、2020年に在庫が底をつくまで定番の名作として紙の書籍を販売継続しておりました。
この名著をいつまでも書店店頭で売り続けたいという強い希望が叶い、今回の重版・復刊が実現致しました。
本企画の目玉は、うえお久光さんの書き下ろしスピンオフ短篇が収録された有償特典小冊子となります。表紙にはこのために描き下ろしていただいた綱島志朗さんの新規イラストを使用しております。作品の発表から16年。長年のファンの皆様も、新たに彩られる作品世界をあらためてお楽しみ頂けましたら幸いです。
今回は先着販売にて、うえお久光先生のサイン本を数量限定にてご用意いたしております。こちらもどうぞお見逃しなく。
「SFとは謳わないでください」
『紫色のクオリア』発売当時に、うえお久光さんから強く念押しされたのを今でも憶えている。
「読者を驚かせたい」という理由で、物語の結末を編集にすら教えてくれない――そんな彼らしい理由だと当時は受け止めたが、そうではなかった。
恥ずかしがり屋で、自己肯定感が低くて、だけど新作のネタと生存報告は律儀にメールしてくれる“求道者”。
SFライトノベルの金字塔として、本作が復刻を求められる今、そろそろ宇宙の旅から帰ってきてもいいんじゃない?
(電撃文庫 小原)
電撃文庫『紫色のクオリア』を紙の書籍で復刊して頂きます。
有償特典冊子には、うえお久光さんがスピンオフ短篇を書いてくださいます。
それをお読みいただいた綱島志朗さんが、表紙を描き下ろしてくださる予定です。
書店担当者の思い入れなんてどうでもよくて、この大事なトピックをとにかく世の中に広く届けたいです。私はこの小説を、奇跡のようだと感じていました。最初からそこにあったかのように心の中に居座る完璧なもの。ですから、まずはバイブルを再び物体として売らせていただきたかっただけであって、欲張りな願いを聞き届けていただき、今回新たな物語を見せてくださるのは、うえお先生を始めとする関係者様からファンの方への愛でしかありません。
僕らが生きる理由をくれる、出版社様と先生方、物語に感謝をしています。
これからも、本屋で沢山売るぞ!
昨今、さまざまなネットサービスで過去に出版され、探しても見つからない数々の本が法外な値段で取引されています。
「欲しい人が払える分の値段を払う」ということは一見、今の世の中の「当たり前」に見えますが、
私たちは「そうではない」と考えます。
ファンの方が熱望するあの名作、私たちも是非お勧めしたいあの名著を
「適切な価格」でお届けすることに私たちは挑戦していきます。
そして、それは私たち“本屋”だけでは実現できません。
著者の方々、出版社のみなさま、ファンのみなさま、など
ご縁のある方と協力しながら、少しずつでもこの挑戦をカタチにしていけると信じています。
この企画を「書泉と、10冊」という名前にしました。
「書泉と、ご縁ある方で世に送り出す10冊」という願いを込めての企画タイトルです。
まずは、10冊。この企画で改めておススメしたい本を2023年8月よりお届けしています。