「中世への旅」シリーズの大ヒットから始まった、「書泉と、10冊」。この企画は、過去に出版された書籍で既に在庫がなく手に入りにくい名作を、株式会社書泉と出版社のみなさま、著者のみなさまに協力いただき重版・復刊してお届けしていくものです。その「書泉と、10冊 第2シーズン」もいよいよ目標の10冊まで目前に迫って参りました。ここからラストスパートに入って参ります。最後までお付き合いの程よろしくお願いいたします。
そして今回お届けする第8弾は、今シーズンの第1・6弾でも復刊させていただきました書泉とご縁の深い白水社から『ローズ・ベルタン マリー=アントワネットのモード大臣』(著:ミシェル サポリ,翻訳:北浦 春香)を復刊いたします。
白水社復刊作品は「中世の旅 騎士と城」「中世の旅 都市と庶民」「中世の旅 農民戦争と傭兵」「鉄腕ゲッツ行状記」「中世のパン」「ノルマン騎士の地中海興亡史」「フランス中世史夜話」に、新たに本書「ローズ・ベルタン マリー=アントワネットのモード大臣」を加えた7作品を復刊させ、現在までの累計販売数は33,000冊以上を販売する事ができました。これも出版社のみなさま、著者のみなさま、そしてお買い上げ頂いているみなさまのお陰です。いつもありがとうございます!
選書はまたも皆様おなじみの甲冑を着る書店員である書泉グランデの大内学!
豪華絢爛たる欧州ファッション界を牽引し、モード商の頂点に上り詰め、今日のファッション産業の基礎を築いたローズ・ベルタンの波乱に満ちた生涯をこの機会に是非ともご堪能して下さい。
復刊に至った経緯
ブルボン朝末期、王妃マリー・アントワネットをはじめ貴顕王侯のデザイナーとして、名前を服飾史に残す彼女ですが、今まであまり深く言及されることはありませんでした。本書は日本で読める、当時の服飾史を知る為の唯一にしてベスト!とも言える本です。
現在新潮社バンチkaiにて連載中の「傾国の仕立て屋 ローズ・ベルタン」はこの人物をモデルとした名作コミックですが、ベルタンを知りたいと思った時に読める新刊はないのです!絢爛たるブルボン朝とフランス革命にいたる過程にいた、マリー・アントワネットのモード大臣の生涯を売り場にてご確認ください。
近世から近代にかけてのフランス革命に至るまでの歴史は、かの「ベルサイユのばら」の例を出すまでもなく、本邦でも著名で人気も高く、コミックだけに留まらず多くの小説、読み物、研究書と出版物には枚挙にいとまがありません。多くの歴史的登場人物の中でも特に興味深く非常に面白い人物が、本書のローズ・ベルタンです。女性ながらにモード商としても才覚を表し、新しいライフスタイルを提唱してパリ中の貴婦人を巻き込みました。本書は服飾史の本というより、やはり歴史書ですが、デザイナー兼経営者として稀有な存在である彼女の実像はビジネスパーソンにも参考になるかもしれません。
昨今、さまざまなネットサービスで過去に出版され、探しても見つからない数々の本が法外な値段で取引されています。「欲しい人が払える分の値段を払う」ということは一見、今の世の中の「当たり前」に見えますが、私たちは「そうではない」と考えます。ファンの方が熱望するあの名作、私たちも是非お勧めしたいあの名著を「適切な価格」でお届けすることに私たちは挑戦していきます。
そして、それは私たち“本屋”だけでは実現できません。著者の方々、出版社のみなさま、ファンのみなさま、などご縁のある方と協力しながら、少しずつでもこの挑戦をカタチにしていけると信じています。
この企画を「書泉と、10冊」という名前にしました。「書泉と、ご縁ある方で世に送り出す10冊」という願いを込めての企画タイトルです。まずは、10冊。この企画で改めておススメしたい本を2023年8月よりお届けしています。