休業期間 書泉と、10冊

大学教養線形代数の基礎

本書の姉妹編である既刊の,数研講座シリーズ大学教養線形代数では,大学1年生が学習する線形代数学について,ほぼすべての内容(すべての定理の証明も含めて)を扱いました。掲載された定理の証明を通じて線形代数学を学習する上で必要な論理展開を細かく理解するということを重視しました。
一方,本書は,徹底して線形代数学の基礎の内容に絞り,解説を読み進めることと共に,とくに多くの計算練習をさせることで理解を深めていくということを重視しました。
姉妹編では論理,本書では計算,がキーワードです。
一般の数学書は,定義→定理→その証明が繰り返されるのに対し,本書を含む数研講座シリーズは,導入解説→必要な定義→定理→定義・定理確認を行う例・例題とすることで,実際に定理を用いてどうなる,という流れを重視しました。実例を通じて理論を理解させる,というメッセイジを込めました。
さらに,慣れ親しんだ高校の数学の教科書のレイアウトに可能の限りなく近づけるため,解答や証明がページの途中で分断されないように,できる限り配慮しました。
来春に発売予定の『チャート式シリーズ大学教養線形代数の基礎』には,本書に掲載された練習・補充・章末問題の詳しい解答を,慣れ親しんだ高校黄チャートの例題形式を用いてもれなく収録します(すべてが例題ではありませんが,類題のPRACTICE,章末のEXERCISESに加え,チャート独自問題も収録します)。
2冊あわせて使用することで,学習の相乗効果が得られるようになっています。

予習:講義計画と照らし合わせ,事前に該当箇所の例と例題を中心に通読し,学習する事柄の雰囲気をつかんでおく。
復習:講義で先生が板書,口頭で説明した事柄について,本書に掲載されている内容かを確認する。講義でとってきたノートを見ながら例や例題を解き直す。その上で,自力で練習,補充,章末問題に着手すれば,より実力が定着する。
第0章 高校数学+大学数学の準備
 第1節 数学の議論に必要な取り決め
 第2節 命題・条件
 第3節 集合
 第4節 数列の和の計算
 第5節 幾何ベクトル

第?部 ベクトルと行列
第1章 ベクトル,行列
 第0節 数ベクトル
  A 数ベクトルとは
  B 数ベクトルの演算
 第1節 行列とは
  A 行列
  B 行列の和・定数倍
 第2節 行列の積
  A 行列と移動
  B 1次変換と行列・ベクトルの積
  C 合成変換と行列の積
 研究回転移動と1次変換
  D 行列の積の性質
 第3節 いろいろな行列
  A 単位行列
  B 逆行列と正則行列
 研究 逆行列と逆変換
  C 転置行列
  D 三角行列,対角行列
第2章 連立1 次方程式
 第1節 連立1 次方程式と行列
  A 連立1次方程式の行列を用いた書き方
  B 連立1 次方程式を解く
  C 拡大係数行列と行基本変形
 第2節 行基本変形と行列の階数
  A 行基本操作と行基本変形
  B 簡約階段形
  C 行基本変形と簡約階段形
 研究行基本変形と簡約階段形の定理の証明
  D 行列の階数
 第3節 連立1 次方程式とその解
  A 行基本変形と連立1 次方程式
  B 解の存在と自由度
  C 同次連立1次方程式
第3章 基本変形と基本行列
 第1節 行列の標準形
  A 行基本操作と基本行列
 研究基本行列と転置行列
  B 基本行列と列基本変形
  C 行列の標準形
 第2節 行列の正則性
  A 連立1次方程式と正則行列の関係
  B 正則行列の判定
  C 正則行列と階数の定理の証明
 第3節 逆行列
  A 逆行列と基本変形
  B 逆行列の求め方
第4章 行列式
 第1節 行列式とは
  A 2次正方行列の行列式
 研究三角形の面積と平行四辺形の面積
  B 一般のn次正方行列の行列式
 第2節 行列式の計算
  A 3次正方行列の行列式の計算
 第3節 行列式と行列の積
  A 基本行列の行列式
  B 行列の積と行列式
 第4節 行列の性質と行列式
  A 正則行列と行列式
  B 転置行列と行列式
 研究クラメールの公式
 第5節 還元定理と余因子展開
  A 還元定理
  B 余因子展開
  C 余因子行列と逆行列
第?部 ベクトル空間と線形写像
第5章 ベクトル空間
 第1節 ベクトル空間とベクトル空間の部分空間
  A ベクトル空間の導入
  B ベクトル空間の部分空間
  C ベクトル空間の部分空間の和と共通部分
 研究 直和と直和分解174
 第2節 1次結合と1次従属・1次独立
  A 1次結合
  B 1次結合による表現可能性と1次独立性
  C 1次独立と1次従属
 第3節基底と次元
  A ベクトル空間の基底
  B ベクトル空間の次元
 研究 生成された空間内のベクトルの1次従属性の証明
  C 次元の計算
  D ベクトル空間の部分空間と次元
 研究 直和と次元
第6章 線形写像
 準備 写像について
 研究逆写像の存在条件・一意性の定理の証明
 第1節 線形写像とは
  A 線形写像の定義
  B 線形写像の例
  C 線形写像の合成
  D 同型写像
 研究 同型なベクトル空間
 第2節 線形写像とベクトル空間の部分空間
  A 線形写像の像と逆像
  B 線形写像の核
 第3節 線形写像と次元
  A 線形写像の像と核の次元
  B 線形写像の単射・全射・全単射と次元
 第4節 線形写像と表現行列
  A 線形写像の決定
  B 線形写像の行列による表現
  C 合成写像と表現行列
 第5節 線形変換と表現行列
  A 線形変換と表現行列
  B 基底の変換
  C 基底の変換と表現行列
第7章 内積
 第1節 内積と計量ベクトル空間
  A 内積とは
  B 内積の定義
  C ベクトルのノルム
  D ベクトルのなす角
 第2節 正規直交基底
  A ベクトルの直交と基底
  B グラム・シュミットの直交化
 研究 直交補空間
 第3節 グラム行列と対称行列
  A グラム行列
  B 対称行列
 第4節 直交変換と直交行列
  A 直交変換
  B 直交行列
 研究 ベクトルの外積
第8章 固有値と固有ベクトル
 第1節 固有値,固有空間,固有ベクトル
  A 固有値とは
  B 固有値,固有空間,固有ベクトル
  C 固有方程式と固有多項式
  D 特別な形の行列の固有値,固有多項式
  E 固有値の重複度と固有空間の次元
 第2節 正方行列の対角化
  A 正方行列の対角化
  研究 同時対角化
  B 対称行列の対角化
 研究 対称行列が対角化可能であることの証明の概略
 第3節 最小多項式と対角化
  A 固有多項式への行列の代入
  B ケーリー・ハミルトンの定理
  C 行列の最小多項式
 研究 ジョルダン標準形
型番 9784410154898-011
販売価格 2,750円(税250円)
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